原木しいたけ


美山・寒川の原木しいたけ

 

地元の方々が口を揃えて言う言葉があります。
「美山・寒川の椎茸はやっぱりうまい」
歴史を遡れば、江戸時代からこの地で原木椎茸の生産が行われてきました。
和歌山なのに冬は雪も積もる美山・寒川。寒暖差の大きい気候が原木椎茸の生産にぴったりだったのでしょう。

美山・寒川の原木椎茸の歴史

 

 さて、当組合が椎茸を生産するに至った経緯と美山・寒川の椎茸の歴史をご説明しましょう。
駿河国(静岡県)阿部郡奈良間村の常蔵氏が椎茸製法を実地に教えるため、享和年間(1801~1804年)寒川の川合に滞在していたが同4年夏に病で死亡しました。その後、伊豆からきた幸助という人が寒川地区で栽培法を伝えました。明治に入って天然栽培から人工栽培にかわり、昭和の時代には生産額は県下一を誇っていましたが、平成に入り獣害と生産者の高齢化で生産量が激減しました。
 こうした状況下において平成21年度から平成23年度にかけ補助事業を活用し美山村森林組合が地場産業の復活をかけて栽培に取り組み始める事になりました。

原木しいたけができるまで

 

 原木しいたけの原木は、クヌギ・コナラを使用し11月ごろ葉が7割くらい枯れて落葉したタイミングで木を伐り倒す。樹齢は15年生くらいのものが最適とされています。
 2月から3月にかけて、90~120センチの長さに揃えてホダ木をつくり玉切りした原木にしいたけ種(種菌)を植え付け、3月から培養(伏せ込み)させ2夏経過後の秋まで伏せ込み、しいたけ菌を原木にまん延させます。冬の厳しい寒さを経験させた後、春の暖かい気温にあてて発生させ収穫します。なんと初めての収穫まで1年半もの歳月がかかるのです。収穫したしいたけは、時期に応じて生しいたけ、乾燥しいたけとして販売しています。

過疎対策の一つとして

 

 かつては、県下一の生産額を誇った「美山・寒川の椎茸」の復活を目指し、美山村森林組合で取り組みをはじめ、紀中森林組合に引継ぎました。平成28年度の生産実績は、生しいたけ700㎏、乾燥しいたけ870㎏となっています。今後も生産に励み地域活性化の一助なれるように、「美山・寒川の椎茸」のブランドを守っていきたいと考えています。